文章の語尾って、どうすればいいか悶々としませんか?

「同じ語尾が続くのは、なんとなく気持ち悪いけど、どうすればいいかわからない!」

語尾の使い方って具体的に習わないし、使い方の事例が少ないですよね。

語尾を使いこなせれば、読みやすく、伝わる文章が書けるようになります。

逆に、使いこなせないと、幼稚な印象を与えかねません。

そうならないためにも、語尾の使い方をマスターしませんか?

ということで、この記事では「文章における語尾の使い方」をお伝えします。

語尾のパターン別に、具体例をたくさん使って、分かりやすく解説します。

ぜひ、参考にしてみてください。

語尾が重複することのデメリット

同じ語尾が続く文章は、リズムがズレている音楽のようなものです。小学生が書いた読書感想文のように、幼稚な印象になってしまいます。たとえば、以下のような文章です。

語尾が重複している文章

「私は小説を読むのが趣味です。出かけるときは、必ず1冊はカバンに入れています。特に好きなのは、海外文学です。明日は好きな作家の発売日なので、買いに行く予定です。」

4連続で、語尾が「す」になっています。同じ語尾が続くと、どこかスムーズさが感じられませんよね。以下のように修正すれば、リズムの良い文章になります。

修正した文章

「私は小説を読むのが趣味です。カバンに1冊は入っていないと、出かけることができません。特に好きなのは、海外文学です。明日は好きな作家の発売日なので、買いにくい予定です。」

いかがでしょうか。文章の表現を整理して、語尾を「ます」から「ません」に変えました。語尾にバリエーションを加えたことで、文章にリズムが生まれて、読みやすくなりませんか?

文章に同じ語尾が続くと、ぎこちなくなってしまいます。もし同じ語尾を続けるのであれば、3回までに抑えましょう。4回続くと読みにくい文章になってしまいます。

誰でも使える文章の7つの語尾

誰でも使える語尾は、全部で7パターンです。

語尾の7つのパターン

①「ません」
②「ため」「から」「ので」
③「でした」「ました」
④「でしょう」「でしょうか」
⑤「ですよね」
⑥「体言止め」
⑦「ください」

1つ1つ、事例を交えながら解説していきます。

「ません」

先ほどの例のように、少し表現を整理しなければいけませんが、語尾に変化を加えられます。

同じ語尾が続く文章

「スペインは料理が美味しいです。パエリアやオレンジ、オリーブオイルなどが有名です。私が特に気に入ったのは、バスク料理です。日本には無い味付けで、また食べたいと思う味です。」

修正した文章

「スペインは料理が美味しいです。パエリアやオレンジ、オリーブオイルなどが有名です。特にバスク料理は、外せません。日本には無い味付けで、また食べたいと思う味です。」

3つ目を整理して、「ません」に変えました。いかがですか。1ヶ所でも変われば、読みやすい文章になりませんか?

「ため」「から」「ので」

理由を説明するときに便利なのが、「ため」「から」「ので」です。説得力ある文章のためにも理由を付け加えて、これらの語尾を使ってみてください。

同じ語尾が続く文章

「SNSを使いすぎるのはダメです。適度なら大丈夫です。依存してしまいます。コミュニケーションツールの1つとしては優秀です。」

修正した文章

「SNSを使いすぎるのはダメです。適度なら大丈夫です。なぜなら、依存してしまうため。コミュニケーションツールの1つとしては優秀です。」

4連続の「す」を「ため」に変えました。文章のどこかで理由を書くときは、「ため」などを使ってみてはいかがでしょうか。

「でした」「ました」

次は、過去を示すような「でした」「ました」です。使いどころは限られますが、便利な語尾の1つです。

同じ語尾が続く文章

「たくさんの企業に就職活動に行こうと思います。不安もありますが、楽しみです。自分がやってきたことを素直に話せば、必ず合格できると信じています。」

修正した文章

「たくさんの企業に就職活動に行こうと思います。不安になることもありました。しかし、楽しみでもあります。自分がやってきたことを素直に話せば、必ず合格できると信じています。」

「でしょう」「でしょうか」

推測の意味で使ったり、相手が確認していないことに対して使います。カジュアルな文章ではあまり使いませんが、覚えておいて損はないでしょう。

同じ語尾が続く文章

「人と付き合うのは難しいものです。言い合いになることもあります。喧嘩を防ぐコツは、相手に責任を擦りつけないことです。しかし、いくら気を付けていても、防げない場合もあります。」

修正した文章

「人と付き合うのは難しいものです。言い合いになることもあります。喧嘩を防ぐコツは、相手に責任を擦りつけないことです。しかし、いくら気を付けていても、防げない場合もあるでしょう。」

最後の文の「あります」を「あるでしょう」に変えることで、読みやすい文章になりました。同様に、「でしょうか」の例文を見てみましょう。

同じ語尾が続く文章

「彼はスポーツ万能です。平日にはジムに通っていて、休日にはフットサルやゴルフを楽しむみたいです。どこからそのようなエネルギーが湧いてくるか不思議です。私はそんな彼を尊敬しています。」

修正した文章

「彼はスポーツ万能です。平日にはジムに通っていて、休日にはフットサルやゴルフを楽しむみたいです。どこからそのようなエネルギーが湧いてくるのでしょうか。私はそんな彼を尊敬しています。」

3つ目の「不思議です」を「〜でしょうか」に変えました。このように、相手に問いかけるような表現を使うことで、読者が書き手を身近に感じられることも利点の1つです。

「ですよね」

次は、問いかけるようなイメージの「ですよね」です。この語尾も「でしょうか」と同様に、書き手が読者に親近感を与える効果もあります。少し砕けた言い方をしたい場合に有効です。

同じ語尾が続く文章

「人前で緊張せずに話すには、経験が必要です。多くの場数をこなしている人は、言葉が詰まっても難なく回避します。なんでも人間は慣れる生き物です。」

修正した文章

「人前で緊張せずに話すには、経験が必要です。多くの場数をこなしている人は、言葉が詰まっても難なく回避しますよね。なんでも人間は慣れる生き物です。」

「ます」から「ますよね」に変えました。文章にリズムができたうえに、少し柔らかくなり、問いかけるような文章になりませんか。

「体言止め」

小学生の頃にも習う、体言止めです。使いすぎると、リズムが悪くなってしまうため、適度に使うのポイントです。400文字 or 1段落に1回を目安に使ってみてください。

同じ語尾が続く文章

「私は周りの人に恵まれています。素晴らしい人たちと、楽しく暮らしています。特に私の人生において影響を与えたのは、同僚の鈴木部長です。来月も彼とゴルフに行く予定です。」

修正した文章

「私は周りの人に恵まれています。素晴らしい人たちと、楽しく暮らしています。特に私の人生において影響を与えたのは、同僚の鈴木部長。来月も彼とゴルフに行く予定です」

いかがでしょうか。名詞の体言止めは、文章の語尾のバリエーションの1つになります。

「ください」

読者にお願いするような表現の「ください」もバリエーションの1つとして効果的です。読者がより文章に注目するメリットもあります。

同じ語尾が続く文章

「自由が手に入ったら、世界一周旅行がしてみたいです。アフリカやヨーロッパ、北米などで、美味しい料理や美しい街並みを見たいです。」

修正した文章

「自由が手に入ったら、世界一周旅行がしてみたいです。想像してみてください。アフリカやヨーロッパ、北米などで、美味しい料理や美しい街並みを見たいです。」

文章を付け加える形で、連続する語尾を避けました。「〜してください」と表現すれば、読者がより文章に引き込まれるようになるでしょう。

1文すれば、文章における同じ語尾を回避する

文章に語尾のバリエーションを加えることも大切です。一方で、どうしても思い浮かばないときや、文章が支離滅裂になる場合もありでしょう。そのときに便利なのが、文章を1文にしてしまう方法です。

同じ語尾が続く文章

「本を読むことは大事です。知識がなければ、スキルは身につかないからです。時間がかかるし、読む苦労もあります。しかし、それだけの価値はあります。」

文章を1文にする

「本を読むことは大事です。知識がなければ、スキルは身につかないからです。時間がかかるし、読む苦労もありますが、それだけの価値はあります。」

以上のように、文章をまとめることで、語尾の重複を回避できます。しかし、文章が長くなってしまうデメリットもあるため、気をつけましょう。読みにくくならない範囲で、1文にまとめてください。

まとめ:文章における語尾の使い方

いかがでしたでしょうか。文章というのは、語尾1つで変わるもの。伝わる読みやすい文章を書きたいなら、語尾をマスターしましょう!

誰でも使える「語尾」の7つのパターン

・「ません」
・「ため」「から」「ので」
・「でした」「ました」
・「でしょう」「でしょうか」
・「ですよね」
・「体言止め」
・「ください」