「文章をスラスラ書きたい」
でも、どうやって書けばいいの…?
文章を書くうえで大切なことは、基本的な構成を知って、使いこなすことです。
どんな文才のある有名な作家でも、文章書くために構成を練ります。
いきなり書き始めるのではなく、しっかり構成を作りましょう。
ということで、この記事では「文章の基本的な6つの構成」をお届けします。
ライター未経験からフリーライターとして起業した私の経験を元に、文章のノウハウをお伝えします。
文章の基本的な構成①:三段構成
新聞やレポートなどで使われる、もっともベーシックな文章の構成です。
「序論」→「本論」→「結論」
という3つの要素で構成されています。読者にストレートに言いたいことが伝わるため、何かのテーマを論んじたいときや、データの紹介をしたいときに欠かせません。
「何のテーマ」について論じるかを示す
疑問や解決策を論じる
主張、根拠、解決策をまとめる
序論
まずは「何のテーマについて論じるか」を明確にするのが序論です。
言い換えれば、問題提起とも言えます。ポイントは、具体的に伝えること。「何について話すのか」「何が重要なのか」「なぜ論じるのか」を数字など理由を交えて書きましょう。
本論
三段構成の中でもっとも重要な部分です。
序論で生じた疑問や問題を解決するのが、本論です。事実や分析データを用いて、根拠を示してください。正しく根拠を示すためには、2通りの方法があります。
・複数の根拠を示す
・筋の通った1つの根拠を示す
つまり、結論を導くための根拠が「複数」あるか「1つ」なのかの違いです。いずれかを使って、正しく根拠を伝えてください。
結論
序論→本論で導いた主張を要約する部分です。
これまでのいくつかの主張や根拠をまとめたり、残された課題を書いたり、読者に最も伝えたいことを伝えましょう。ポイントは、読者が納得するように論理展開すること。事実ではなく意見を書いたり、あいまいな根拠を示してはいけません。
文章の基本的な構成②:起承転結
誰もが知っている文章の構成といえば「起承転結」でしょう。
「起」→「承」→「転」→「結」
人の感情を動かせるため、小説やコラムなどで使用されます。一方で、最後まで読まないと結論がわからないため、実用文では使いにくいのが難点です。
読者の興味を引き立てる導入部分
内容の詳細を説明する部分
読者を驚かせる「ツッコミ」部分
とっておきの「クライマックス」部分
「起」
読者の興味を引き立てる導入部分です。
全体を描写する表現をして、読み手に「どんなことが起きるんだろう?」と想像させることが欠かせません。注意点は、結論を先に書いてはいけないことです。あくまで、読者にイメージしてもらうように「すべて書かない」ようにしてください。
「承」
「起」で生じた内容の詳細を説明する部分です。
導入より、すこし踏み込んで詳細を書き、情報を小出しにするように書きます。ポイントは「転」に繋げるように伏線を張ること。いかにも次に何かあるような書き方をすると、「転」がより面白くなります。
「転」
読者を驚かせるような描写をする部分です。
これまでの内容から180度方向転換するように書きましょう。「え?どういうこと!」と思わせるような文章の「ツッコミ」を作るイメージです。「承」でうまく伏線を張れば、より読者を引き込む文章になります。
「結」
漫才でいうところの「オチ」の部分です。
読者を引き込んだ後、とっておきの演出を書きましょう。「転」で驚きを与えることで、より面白いクライマックスを作れます。
文章の基本的な構成③:PREP法
文章を簡単かつ、わかりやすく書くために役立つ基本的な文章の構成です。
「結論」→「理由」→「事例」→「まとめ」の4つの要素で構成されています。それぞれのアルファベットの頭文字を取って、PREP法と呼ばれます。
「結論」→「理由」→「事例」→「まとめ」
結論を先に持ってくるため、シンプルに読者に伝わるのが特徴。その後に理由と事例と加えることで、より伝えたいことがストレートに伝わる便利な文章の構成です。
最も伝えたいことを簡潔に書く
結論の根拠を書く
具体的に「たとえ」を書く
最後のまとめを書く
結論:Point
文章で最も伝えたいことを最初に書きます。
簡潔に伝えたいことを書くことで、読者にわかりやすく伝わります。なぜなら、現代の文章のほとんどは、時間を取ってじっくり読まれないためです。
特にスマホが普及した後は、文章自体読むのが苦手という人も増えていますよね。早めに「何が言いたいのか」を伝えなければ、読み手は苦痛を感じて、文章を読まなくなってしまうでしょう。
理由:Reason
結論を導くための理由を書きます。
しっかり筋を通すような理由を書ければ、わかりやすく説得力ある文章に仕上げるでしょう。
筋が通っているかチェックするコツは、結論と理由の2つの文章の間に「なぜなら」「だから」という接続詞を入れてみること。もし理由が変であれば、違和感を感じるはずです。
事例:Example
文章の「たとえ」の部分です。
優先順位が低そうな「事例」ですが、実はとても大切です。文章というのは、気をつけて書いても抽象的になりがち。そんな文章に「事例」があると、読者がよりイメージしやすいため、わかりやすい文章になるのです。
ポイントは、誰でも「知ってる!!」と思えるような身近な事例を書くことです。
まとめ:Point
再度、文章の結論を「まとめ」として書きます。
「要するに」「つまり」という接続詞を使って、簡潔にまとめましょう。最後に全体像を読者に書くことで、最も伝えたいことがハッキリ伝わります。
文章の基本的な構成④:SDS法
PREP法と同じように、簡単にわかりやすい文章が書ける基本的な構成の1つです。
「主張」→「説明」→「結論」の3つで構成され、同様にそれぞれのアルファベットの頭文字を取って、SDS法と呼ばれます。PREP法との違いは、同じような内容を繰り返すかどうか。
「主張」→「説明」→「結論」
PREP法では、「結論」「まとめ」で2回同じ内容を書きました。一方、SDSでは3回繰り返します。同じことを3回書くことで、より読者に伝わるわけですね。テレビのニュース番組やネット通販などでよく使われます。
全体を示すように書く
詳細を説明する部分
最後のまとめを書く
主張:Summary
全体の概要を書く部分です。
「この文章は、〜〜について書きます」と簡単に全体を示すように書き出すことで、読者が文章を読む心構えができます。よって、伝わりやすい文章になるでしょう。回りくどい表現を避け、スムーズに「説明」に入るように、簡潔に書くのがポイントです。
説明:Details
文章の詳細を説明する部分です。
主張をもとにして、「例え話」を用いたり、根拠を示したり、主張と繋がるようにして書いてください。文章の概要を、噛み砕いて説明するイメージです。ポイントは、具体的に書くこと。
数字を使ったり、箇条書きを使ったりして、読者に具体的に訴えかけるように書きましょう。
結論:Summary
再度、まとめを書きます。
ニュース番組のように「以上、〜〜について書きました」と締めれば、相手に伝えたいことが伝わるでしょう。
文章の基本的な構成⑤:IPQS法
長い文章の導入文で、効果を発揮する基本的な構成です。
「理想」→「問題」→「疑問」→「解決策」の4つで構成されています。どうしても長い文章というのは、読者にとって読みにくいもの。
「理想」→「問題」→「疑問」→「解決策」
しかし、この一連の流れを文章の冒頭で使うことで、長い文章でも読者に興味を抱かせることができます。なぜなら、読者の理想を妨げる問題点を解決できると書くことで、「え?どうやって解決するのだろう…」という好奇心を駆り立てることができるためです。
先に、事例を書いておきましょう。
理想:「世界中を旅しながら、自由に暮らしたいですよねぇ〜」
問題:「とはいえ現実的には、お金も時間もないですよね」
疑問:「では、実際にどうやって、世界中を旅しながら自由に暮らせるのだろう?」
解決策:「ということで、自由に暮らすためのお金と時間を作り出す方法をお伝えします」
読者の理想を書く
理想と現実のギャップを書く
理想から生じる疑問を書く
問題の解決策をまとめる
理想:Ideal
読者が抱くような理想を書きます。
「こうなりたいなぁ」という理想的な状況を書くことで、最初に興味を抱いてもらいます。ポイントは、感情を入れること。語りかけるように感情を刺激する「セリフ」を書けば、より読者がイメージしやすくなります。
問題:Problem
理想を阻む問題を書きましょう。
理想と現実のギャップを解決すべき問題を書きます。ギャップが大きければ大きいほど、読者の興味を引くでしょう。
疑問:Question
理想から生じる疑問を書きます。
一見、必要ないように思えますが、読者の頭の中の疑問を文字にしないと、イメージしにくいもの。しっかり書くことで、読み手が文章に入り込んでくれます。
解決策:Solution
最後に解決策を書きます。
ここで注意することは、解決策を全て書いてはいけないということです。あくまで、IPQS法は文章の導入文。もし全てを書いてしまうと、導入文だけで長くなってしまいます。すると読者が「長そうだぁ…」と思って、読んでくれなくなるのです。つまり、1行ほどで終わるように短く簡潔に書くことがポイントです。
まとめ:文章の基本的な構成
今回は、文章スラスラ書くための基本的な構成について5つご紹介しました。
長くなったので、最後にまとめておきます。
・三段構成
・起承転結
・PREP法
・SDS法
・IPQS法
この5つの構成を使いこなせば、小説から実用文、ブログなどあらゆる文章がスラスラ書けるようになります。最初はぎこちなくてもいいので、実践!実践!で文章力を鍛えましょう。少しずつでもいいので、試してみてくださいね。